EHM設定ツール 利用マニュアル

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目次

  1. 概要
  2. 動作環境
  3. 画面構成
  4. BLE接続手順
  5. モニタタブ
  6. PCS設定タブ
  7. システム設定タブ
  8. 通信ユニット設定タブ
  9. 通信ログ
  10. エラーと対処

1. 概要

EHM設定ツールは、Bluetooth Low Energy(BLE)を経由してEHMシステム(ehm-s55mp3b-mgr)に接続し、PCSの動作状態の確認および設定値の確認・変更を行うWebアプリケーションです。

ブラウザ(本ツール)
    ↕ BLE
M100 / ehm-s55mp3b-mgr(通信ゲートウェイ)
    ↕ ModbusRTU(RS-485)
PCS / ehm-s55mp3b

2. 動作環境

項目 要件
アクセスURL https://ehm-settings.emss.cloud/
ブラウザ Google Chrome 最新版(Web Bluetooth API対応が必須)
OS Windows / macOS / Android(Chrome)
Bluetooth BLE対応のBluetooth 4.0以上
接続先 M100(ehm-s55mp3b-mgr)

注意:iOS Safari はWeb Bluetooth APIに対応していないため使用できません。

本ツールは上記URL(HTTPS)でホストされています。Web Bluetooth APIはHTTPS(またはlocalhost)でのみ動作するため、必ず https:// でアクセスしてください。


3. 画面構成

┌─────────────────────────────────────────────────────┐
│  EHM設定ツール   ehm-s55mp3b-mgr           v0.3.0   │  ← ヘッダー(右端にバージョン表示)
├─────────────────────────────────────────────────────┤
│  BLEデバイス:[デバイス名]  ● 接続中                │
│  [検索]  [接続]  [切断]                              │  ← BLE接続バー
├──────────┬────────┬───────────┬────────────────────┤
│  モニタ  │PCS設定 │システム設定│  通信ユニット設定  │  ← メインタブ
├─────────────────────────────────────────────────────┤
│  各タブの内容(アコーディオン形式)                  │  ← コンテンツ
├─────────────────────────────────────────────────────┤
│  ▼ 通信ログ                            [クリア]     │  ← 通信ログ
└─────────────────────────────────────────────────────┘

アコーディオン操作

各セクションはアコーディオン形式になっています。ヘッダー部分をクリックすると展開・折りたたみができます。ヘッダー右側にはセクションの取得状態が表示されます。

状態表示 意味
未取得 まだデータを読み込んでいない
取得済 正常にデータを取得した
エラー 取得または反映に失敗した
状態表示なし(展開時に自動取得するセクション等)

4. BLE接続手順

4.1 デバイス検索

  1. BLE接続バーの [検索] ボタンをクリックする
  2. ブラウザのBLEデバイス選択ダイアログが表示される
  3. 一覧から対象の M100 デバイスを選択し ペア をクリックする

デバイス選択ダイアログには、デバイス名が @ で始まる機器のみが表示されます(周辺の無関係なBLE機器を除外するためのフィルタです)。

デバイス名が一覧に表示されない場合は、M100の電源が入っているか、BLEの有効範囲内(目安:10m以内)にあるかを確認してください。

4.2 接続

  1. デバイスを選択すると接続バーにデバイス名が表示される
  2. [接続] ボタンをクリックする
  3. 状態表示が ● 接続中 に変わる

4.3 切断

4.4 予期せぬ切断

通信範囲外に出た場合などに自動切断が発生します。状態が ● 未接続 に戻るため、再度 [接続] ボタンで接続してください。


5. モニタタブ

PCSシステムの現在の動作状態を確認します。設定値の変更はできません(読み取り専用)。

5.1 データ取得方法

各アコーディオンのヘッダーをクリックして展開すると、内部に [取得] ボタンが表示されます。クリックするとM100経由でPCSから最新値を読み込みます。

5.2 表示項目

セクション 主な表示内容
PV情報 PV1〜3の状態・電圧・電流・電力・日発電量・積算発電量、PVオンライン状態
グリッド情報 R/S/T相の電圧・電流・皮相/有効/無効電力、総電力、力率、系統周波数、系統オンライン状態
インバータ情報 インバータ状態、U/V/W相の電圧・電流・皮相/有効/無効電力、総電力、力率、インバータ周波数、母線電圧、負荷電力、PV/インバータ/機内温度、負荷状態
電力量情報 太陽光発電/蓄電池/消費/系統 の各電力、日・積算の発電量・充放電量・買電量・売電量
BMS情報 BMS状態、平均電圧・電流・電力・SOC・SOH、可充/可放電量、最高/最低セル電圧・温度(番号付き)、電池オンライン状態
蓄電池情報 各電池パック(1〜4)の状態・電圧・電流・電力・SOC・SOH、セル電圧(#1〜#16)、セル温度(#1〜#16)
運転情報 システム状態・BMS状態・PV状態・DCAC状態・DCDC状態・各制御状態・システムモード・制御電力・実行電力・各制限電力
故障情報 EMS/PCS/BMS の保護フラグ

蓄電池情報 は電池パック1〜4を切り替えて表示します。パックごとに取得します。


6. PCS設定タブ

PCSの動作パラメータを確認・変更します。

6.1 設定変更の基本手順

  1. 対象セクションを展開する
  2. [設定値取得] ボタンをクリックして現在値を読み込む
  3. 変更したい項目の値を入力・選択する(変更箇所はハイライト表示)
  4. [設定反映] ボタンをクリックする
  5. 確認ダイアログで OK をクリックする
  6. ACK受信後、自動的に再取得して反映値を確認する

注意:設定値取得を行う前は設定反映ボタンは無効です。必ず先に取得を行ってください。

6.2 モード設定

項目 説明 設定範囲
システムモード 動作モードの選択 停止 / 経済モード / グリーンモード / 蓄電モード
充電開始 時 / 分 系統からの充電開始時刻 時 0〜23 / 分 0〜59
充電終了 時 / 分 系統からの充電終了時刻 時 0〜23 / 分 0〜59
交流充電電力 充電時の電力上限 0〜5500 W
充電終止SOC 充電を止めるSOC 0〜100 %
放電開始SOC 放電を開始するSOC 0〜100 %
放電終止SOC 放電を止めるSOC 0〜100 %
放電開始 時 / 分 放電開始時刻 時 0〜23 / 分 0〜59
放電終了 時 / 分 放電終了時刻 時 0〜23 / 分 0〜59
放電電力 放電時の電力上限 0〜5500 W
逆潮流電力 売電上限電力 0〜5500 W
グリッド契約電力 電力会社との契約電力 30 / 40 / 50 / 60 A

6.3 系統連系保護設定

系統連系保護に関するパラメータです。検出値と検出時間をそれぞれ設定します。

項目 単位 選択肢・範囲
交流過電圧検出値 / 検出時間 V / s 110.0〜120.0 V(2.5V刻み)/ 0.5〜2.0 s
交流不足電圧検出値 / 検出時間 V / s 80.0〜90.0 V(2.5V刻み)/ 0.5〜2.0 s
周波数上昇検出値(50Hz)/ 検出時間 Hz / s 50.50〜52.50 Hz / 0.5〜2.0 s
周波数上昇検出値(60Hz)/ 検出時間 Hz / s 60.60〜63.00 Hz / 0.5〜2.0 s
周波数低下検出値(50Hz)/ 検出時間 Hz / s 47.50〜49.50 Hz / 0.5〜2.0 s
周波数低下検出値(60Hz)/ 検出時間 Hz / s 57.00〜59.40 Hz / 0.5〜2.0 s
直流分検出 mA 数値入力
受動的単独運転検出時間 s 数値入力(0.1sステップ)
能動的単独運転検出時間 s 数値入力(0.1sステップ)
逆電力RPR / 検出時間 W / s 0(無効)/ 200 / 5500 W、時間は数値入力
電圧上昇抑制検出値 V 数値入力
復電後遮断時間 s 10 / 150 / 300 / 手動復帰
直流過電圧検出値 / 検出時間 V / s 数値入力 / 0.5〜2.0 s
直流不足電圧検出値 / 検出時間 V / s 数値入力 / 0.5〜2.0 s
交流過電流検出値 / 検出時間 A / s 数値入力 / 0.5〜2.0 s
並列時許容周波数 Hz 数値入力(0.05 Hzステップ)

6.4 PCS保護設定

インバーター保護パラメータです。スカラー値とビットフィールド(機能フラグ)の2種類があります。

スカラー値:母線過電圧・母線過電流・漏電流保護、PV1〜3過電圧・過電流、絶縁保護、PV/INV IGBTサーミスタ温度、環境温度過温、逆変換力率、グリッド周波数設定(50Hz / 60Hz)

機能フラグ(チェックボックス/0x640F)

ビット 機能
Bit0 遠隔出力制御
Bit1 高電圧ライドスルー
Bit2 低電圧ライドスルー
Bit3 能動的単独運転検出
Bit4 受動的単独運転検出
Bit5 周波数フィードバック
Bit6 電圧上昇抑制
Bit7 直流分検出
Bit8 逆電力検出
Bit9 遠隔力率制御
Bit10 電圧高調波注入
Bit11〜15 予約(未使用)

6.5 BMS保護設定

バッテリー保護パラメータです。

項目 単位
BMSアドレス -(1〜256)
電池過電圧 / 低電圧保護 V
セル過電圧 / 低電圧 / 電圧差保護 V
セル過温禁止充電 / 低温禁止充電
セル過温禁止放電 / 低温禁止放電 / 温度差保護
環境過温 / 環境低温保護
MOS過温保護
充電終止電流 / 放電終止電流 A
クラスタ間電圧差保護 V
BMS絶縁低保護
極柱過温 / ヒートシンク過温保護
LLC過電流保護 A

7. システム設定タブ

7.1 時刻設定

PCSシステムの内部時計を設定します。

  1. セクションを展開して [設定値取得] をクリックし、PCS現在時刻を読み込む
  2. 日時入力欄に設定したい日時を入力する
    • または [現在時刻を入力] ボタンをクリックすると端末(ブラウザ)の現在時刻が自動入力される
  3. [設定反映] をクリックして送信する

7.2 システムパラメータ

項目 説明 設定範囲
オフグリッド放電開始SOC オフグリッドで放電を開始するSOC 0〜100 %
オフグリッド停止SOC オフグリッドで動作を停止するSOC 0〜100 %
IPアドレス M100の静的IPアドレス xxx.xxx.xxx.xxx
サブネットマスク サブネットマスク xxx.xxx.xxx.xxx
デフォルトゲートウェイ デフォルトゲートウェイ xxx.xxx.xxx.xxx

動作フラグ(ビットフィールド)

ビット 項目 選択肢
Bit0 自立運転切替(停電時) 自動 / 手動
Bit1 遠隔制御通信再回復 自動 / 手動
Bit2 DHCP 自動(動的取得)/ 手動(静的設定)
Bit3 強制充電 動的取得 / 静的取得
Bit5 復電時 自立運転切替 系統復帰時の切替
Bit4, Bit6〜14 保留(未使用・操作不可)

DHCP を「自動(動的取得)」に設定した場合、IPアドレス・サブネットマスク・ゲートウェイの入力欄は無効になります。


8. 通信ユニット設定タブ

M100(通信ゲートウェイ)自体の設定を行います。セクションごとに操作ボタンが異なります。

セクション 取得 反映
PCS通信設定(ModbusRTU) (取得ボタンなし) [設定反映]
Wi-Fi設定 [状態取得] [設定反映]
セルラー設定(4G) [状態取得] [設定反映]
インターネット接続回線 (取得ボタンなし) [設定反映]
遠隔出力制御設定 [設定値取得] [設定反映]

8.1 PCS通信設定(ModbusRTU)

M100 と PCS 間の RS-485 通信パラメータを設定します(設定値の読み出しはなく、選択して [設定反映] で送信します)。

項目 選択肢
ボーレート 9600 / 19200 / 38400 / 115200 bps
パリティ N(なし)/ E(偶数)/ O(奇数)
データビット 8
ストップビット 1 / 2

8.2 Wi-Fi設定

[状態取得] で現在状態を読み込み、SSID・パスワード・認証方式を入力して [設定反映] で送信します。

設定項目 説明
SSID 接続するWi-Fiのネットワーク名
パスワード Wi-Fiパスワード
認証方式 WPA2_PSK / WPA_PSK / OPEN
状態表示(読取専用) 内容
接続状態 接続中 / 未接続
SSID(接続中)/ BSSID 接続中のアクセスポイント情報
チャンネル / 信号強度 / リンク品質 / 転送速度 / 暗号化 電波・リンク状態
IPアドレス / サブネットマスク / ゲートウェイ 取得中のネットワーク情報

8.3 セルラー設定(4G)

[状態取得] で現在状態を読み込み、APN等を入力して [設定反映] で送信します。

設定項目 説明
APN キャリアのAPN名
認証方式 NONE / PAP / CHAP
ユーザー名 / パスワード APN認証情報(省略可)
PDPタイプ IP / IPV6 / IPV4V6
状態表示(読取専用) 内容
接続状態 接続中 / 未接続
登録状態 / 通信方式 ネットワーク登録・通信方式
RSSI / RSRQ / RSRP / SNR 電波・信号品質
IPアドレス / サブネットマスク / ゲートウェイ 取得中のネットワーク情報

8.4 インターネット接続回線

項目 選択肢
優先接続 WIFI / 4G

8.5 遠隔出力制御設定

電力会社からの遠隔出力制御に関する設定を行います。

項目 説明
発電所ID 発電所識別ID(最大26桁)
送配電事業者 管轄の送配電事業者(1〜10)
出力制御有効 遠隔出力制御の有効 / 無効
出力制御時間 制御指令の有効時間(5〜10分)
契約容量 契約電力(0〜5500 W)
通信断時自動解列 通信断時に自動解列する(有効)/ しない(無効)
通信遮断時間 通信断と判定するまでの時間(1〜120分)

送配電事業者の番号対応:

番号 事業者名
1 北海道電力ネットワーク
2 東北電力ネットワーク
3 東京電力パワーグリッド
4 中部電力パワーグリッド
5 北陸電力送配電
6 関西電力送配電
7 中国電力ネットワーク
8 四国電力送配電
9 九州電力送配電
10 沖縄電力

9. 通信ログ

画面下部の通信ログエリアにBLE通信の送受信内容がリアルタイムで表示されます。

[10:23:45.123] → TX: {"c":"REQ","f":"GET_PCS_RAWDATA","d":{"block_type":"mode_params"}}
[10:23:45.287] ← RX: {"c":"ACK","f":"GET_PCS_RAWDATA","d":{"block_type":"mode_params",...}}
表示 意味
→ TX ブラウザ → M100 への送信
← RX M100 → ブラウザ への受信
✗ ERR エラー発生

10. エラーと対処

エラー 原因 対処
BLE検索でデバイスが見つからない M100の電源が入っていない、または範囲外。デバイス名が @ で始まっていない M100の電源を確認し、10m以内に近づける。デバイス名の接頭辞を確認する
接続失敗 BLEペアリングのキャンセルまたは電波干渉 再度 [検索] → [接続] を行う
設定値取得 タイムアウト M100とPCS間の通信異常 PCS通信設定のボーレート等を確認する
設定反映 失敗(エラーコード21) 入力値が設定範囲外 各項目の設定範囲を確認して再入力する
設定反映 失敗(エラーコード50) M100内部エラー 少し待ってから再試行する。改善しない場合はM100を再起動する
[設定反映] ボタンが押せない 設定値未取得、または入力値が範囲外 先に [設定値取得] を実行する。入力エラーの項目を修正する

EHM設定ツール v0.3.0